メディ・カフェ@関西HP

【テレビ番組放送のお知らせ】TOKYO“ホームレス”2019「見えてきた多様化の実態」

        

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第7回メディ・カフェ関西より

          
メディ・カフェゆかりの方や活動の「その後」についてのお知らせ第二弾は、テレビ番組のご紹介です!

 

メディ・カフェ@関西に、スピーカーとしてお話してくださった森川すいめいさん

第7回メディ・カフェ@関西「コーラと『ホームレス』〜あなたなら、どこでどんな未来を生きたいですか?〜」)や、西岡誠さん第10回メディ・カフェ@関西「路上(みち)から生まれたプロジェクト~ホームレスのヘルスケアから考える、ひとはなにによって生きるのか~」)が参加されている、特定非営利活動法人TENOHASIと、ハウジングファースト東京プロジェクトEテレ・ハートネットTVに登場されます。

「TOKYO”ホームレス”2019」4月2日、9日、16日、3週連続で、20時より放送です。

www.nhk.or.jp

第10回メディ・カフェ@関西で西岡誠さんがお話してくださった、東京ハウジングファーストプロジェクトのその後や、日々の診療や支援の現場で、オープンダイアローグを実践されている森川すいめいさんらTENOHASIの活動が、テレビで紹介されるのでしょうか。とっても楽しみです!

 

特定非営利活動法人TENOHASIのブログによれば、TENOHASIの活動は、4月9日(火)20時からの第二回で放送される予定とのこと。

tenohasi.exblog.jp

是非、ご覧ください!

 

           

 

 

CPAOと共に、私たちに出来ること

続きます」と書いたきり、続かないで、気がつけば1カ月過ぎてしまいました。

11月は、虐待防止推進月間です!と書こうと思っていたのに、もう半分終わってしまいました。   

 

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その「虐待防止推進月間」ということで、各地で講演会があったり、テレビでも様々な問題や取組が取りあげられています。中でも、今年3月、目黒で女児が亡くなった事件に関しては、社会に問いかけられている問題も多く、再び何度も取り上げられていました。

報道されている亡くなった女児のあどけない笑顔や、亡くなる直前に残した手紙がショッキングで、「どうしてこんな子を殺すことが出来るのか」と親への怒りや悲しみという感情を抱いたり、また、児童相談所間の情報共有が出来ていなかったり、その時々の判断が正しかったのか、「もう少し何かが違ったら、この子は救えたのではないか?」という行政や司法に対して、疑問や不信感を多くの人が持っていると思います。この事件に限らず、今までも同じような事件は繰り返されてきたのに、多くの子どもの命が奪われたり、傷つけられてきたのに、悲劇を無くすことができない現状に「何かをしなくては」という思いを持っておられる方も多いと思います。この事件が大きく報道された当時には、そういった人々の「何かをしなくては」という思いからだと思いますが、当該児童相談所へ抗議電話が殺到し、児童相談所の業務を更に停滞させるという現象を起きました。

小さな子どもが犠牲になる悲惨な虐待死事件が起きるたび、「可哀そうな子ども」と子どもを死にいたらしめる「非道な親」「無能な児童相談所や行政」という図が描かれ、「非道な親から子どもを守れ」「児童相談所の権限を強化させろ」「警察が介入しろ」という声が高まります。しかし、そういった正義の声こそが、助けを必要としている親子が、助けを求めにくい社会にしている一面もあるのではないでしょうか。

 

日本社会事業大学福祉マネジメント研究科の宮島清教授も、この事件によせて、コラムで児童虐待について現状や課題について書かれていますが、その中で、

www.jcsw.ac.jp

悲惨な面を強調し、処罰感情を煽る報道のあり方の問題や、親や児童相談所や福祉関係者を非難するだけでは解決にならないこと、成果を急いで場当たり的な対策を重ねることは危険であることを指摘されています。 

認定NPO法人CPAO代表徳丸ゆき子さんからも、先日開催されたイベント後の活動報告会で、「親は何故子どもを隠すのか?」と問いかけられました。「何故隠すのか?隠さずにいられないのか?」を考えずに、「鬼畜親赦すまじ」と、警察や権力で無理やり子どもを引き離すべきだという風潮が強まるほど、さまざまな困難さを抱えながら子育てをしている親たちは、自分自身の成育歴や、これまでの助けてもらえなかった経験から社会や人への信頼感を失い、世間からの断罪を恐れて自らさらに孤立し、八方塞がりの状況に追い込まれます。閉ざされた家の中にいる子ども達の状況は厳しく、待ったなし。尚更、私たちには、感情的に行動しない冷静さが求められていると思います。

 

「何か出来ることをしたい」という思いも大切です。CPAOを支えているのも、そういう心ある人たちの思いです。

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前回書いたように、CPAOのような活動をしている団体に寄付をしたり、ボランティアで参加するというのもいいと思いますし、まずは、「まずはごはん」を購読したり、CPAOのブログを読んで考えるということから始めるのもお勧めします。たとえば、こういうある日の記事を読んでいて

「あのな、実は今日の宿題は学校でやったから、これは明日の分やねん。だから今日やらんでええねん」
そう言って、早めに切り上げようとする子がいました。
ちょっとおもしろくなり、「へーそうなんや。すごいなあ。」と答えると、しばらくそのまま続け、「やっぱり決めたところまではやってしまおうかなー」と、最後までやってしまいました。

CPAOでは、「宿題カフェ」という時間を設けてます。
宿題をやるかやらないかは自由。
でもせっかくやろうとなった時には、分からないところは一緒に考えたり、ヒントを出したり、そのやる気をサポートしたいと考えてます。

この子の宿題が、今日のだったのか、明日のだったのか…それは分かりません(笑)
でも、ずっと見ていてくれると気付いたその子は、少し嬉しそうで、そこに人を信じられる未来があることを願います。

そのためには、時間をかけ、丁寧に関係性を築いていける、親でもないけど他人でもないような、そんなおとなの存在が必要です。

自分の子どもだったら「実は今日の宿題はもう学校でやってきた。これは明日の宿題だから、今日しなくてもいい」とか言っても、「遊びたいからって嘘つくな!さっさとやりなさい!!」って怒ったり、なかなか進まない宿題に「何度言ったらわかるの!」って切れたりしたなーと思いおこして、こんな風にふんわりと、子どものいうことを「面白い」と受け止め、出来るまで見守る事が出来るのは他人だからなんだなと、だったら、自分の子どもだから冷静に出来ない時や、事柄は、他人とシェアしあえばいいのかと考えるきっかけになったりします。

そうして何かに気づいたら、自分の目の前にいる子どもたちや、周囲にいる身近な親子への眼差しや態度が変わることでしょう。

時間をかけ、丁寧に関係性を築いていける、親でもないけど他人でもないような、そんなおとな

そういう私も「そんなおとな」になりたい。第8回メディ・カフェ@関西のテーマだった「隣る人」というのは、そういう存在のことだったんだなと、この記事を読んで、改めて気づかされました。 

 

メディ・カフェ@関西は、今後もCPAOの活動を追いかけて、是非「これからのCPAO」をテーマにしたメディ・カフェもやりたいと考えています。やりたいことがたくさんあり過ぎて順番が難しいですが、関心のある方は、今後も辛抱強くご注目いただきましたら有難いです。(文責:山根)

 

 

 

CPAO5周年と「まずはごはん」

大変大変ご無沙汰しております。

メディ・カフェ@関西は、メンバー各自、育児や仕事や介護や看取りなどで忙しく、長い間、開店休業状態でしたが、ようやく通常営業出来るかな?状態になりましたので、ぼちぼちブログの更新から、再開したいと思います。

この2年間、メディ・カフェ後も繋がりつづけていただいている団体や人、関わりの深い団体の活動についてなど紹介させていただきます。

 

CPAO5周年と「まずはごはん」

 

4年前、第8回メディ・カフェ@関西 「きっとあなたも誰かの“隣る人”~映画『隣る人』を通して考える、社会で子どもを育てると言うこと~」

medicafewest.hatenablog.com

に登壇いただいた、徳丸ゆき子さんが代表をされている認定NPO法人CPAO

初めての本、「まずはごはん~ささえあう社会への、はじめの第一歩~」が、出版されました。

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cpao0524.org

美味しそうなごちそうが並んだテーブルの真ん中に、どーんと大きな羽釜。釜のなかで、炊きたてあつあつのごはんが光っています。まさに「同じ釜の飯食う」図の表紙にわくわくしながらページをひらくと、手触り良く、開きやすい紙質にうっとり。子ども達に大人気メニューのレシピは、みんなでわいわい調理しながらでも見やすいレイアウトになっています。ひとつひとつ、子ども達と一緒に考えて作られた本なのがよくわかります。そして内容も、料理のレシピだけではなく、5年間の経験と知恵と情報、活動を支えるエネルギーの源についてなど、惜しむことなく、まるで、大きなお釜をどんと置いて「みんなで食べよ!」と笑顔でふるまっているようです。

以前から、「本をだしませんか」という話はあったけれど、出版社からの「可哀そうな子どものこと世の中の多くの人に知ってもらうために、可哀そうな子どもの話を書いてほしい」というような要望には答えられない。「“可哀そうな子ども”なんて、CPAOにいません、いたとしても書けません。」と断ってきたそうです。

その一方で、「自分も何かしたいけれど、何からどうしていいのかわからない。」「あんなことやこんなことはどうしたらいいんだろう」と戸惑っている人に、最初の一歩を踏み出す助けになるような、5年間の試行錯誤を具体的に紹介する、本を出したいと思い、子ども達に大人気のメニューのレシピだけじゃなく、大人数調理のコツや、食材の管理方法などのノウハウや、CPAOを支える心ある人々と繋がり、地道に続けることの大切さが、沢山の綺麗な写真や子ども達の絵とともに、ぎっしり詰まった「まずはごはん」~ささえあう社会への、はじめの第一歩~」が完成したのでした。

 

じつはこの「まずはごはん」には、大変光栄なことに、メディ・カフェ@関西山根も寄稿させていただいております。 

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本文より引用

子ども達自身が持っている生きる力の芽は、お腹いっぱい食べて、ゆっくり過ごせる場所があり、安心して甘えられるおとながいつもそばにいれば、自然に育ってくるのだとCPAOの活動を見ていて知りました。おとなに出来ることは、環境を整え、焦らず、押し付けず、子どもを信じて待つことですが、おとなの側にも、相当な余裕と持続できる体力が必要です。

CPAOが子ども達にとって、そんな存在であり続けられるように、少しでもお手伝いできればと思っています。

「これから何かを始めたいとおもっている人へ、そのきっかけになるといようなメッセージを」ということで、もっといっぱい書きたいことがあったのですが、文章下手な上に字数制限もあり書ききれなかったので、少し補足したいと思います。CPAOでは、ピアノ部や料理部、スイーツ部、釣り部などのくらぶ活動や、里山での野遊びやお泊り会など、子ども達からの要望にこたえて始まった楽しい活動も活発です。たとえば、CPAOピアノ部設立のきっかけは、ひとりの女の子の「ピアノが習いたい」という言葉で、徳丸さんの呼びかけに、厚意によってピアノが寄贈され、ボランティアで講師も引き受けてくださる人もいて、ピアノ部の活動が始まりました。
CPAO設立5周年記念イベントで、素晴らしいピアノや、新しく始めたギターの演奏を披露してくれた女子中学生がピアノ部員第一号でした。他の部員の子ども達も、彼女のピアノに合わせて可愛い声で合唱。何日も一生懸命練習して、晴れの日を迎えた子ども達の顔は緊張しながら誇らしげで、見守るおとなたちの顔も涙腺もほころび、会場は温かい拍手に包まれました。 cpao0524.org料理部も、スイーツ部も、釣り部も、子ども達の希望からはじまり、合宿や日々のごはん会や、お祝い事のためのごちそうや誕生日のケーキ作りにと大活躍なのだそうです。大人が子ども達に対して、自立のために「自分で料理が出来るように」と教えようとしなくても、環境があって興味を持てば、自分から「やりたい」と思うものだと思います。しかし、周囲の大人に子どもと向き合う余裕がなかったり、貧困など何らかの理由で、子どもの気力や意欲が阻害されていたり、家庭や学校で孤立状態にあって大人への信頼心も失っているなど、様々な理由から、やりたいと思っていても言えなかったり、言っても無駄だと諦めていたり、様々な状況の中で子ども達も疲れ果てて、気力も失っているのかもいるのかもしれません。そんな子ども達に対して大人がするべきことは、子どもの無気力を責めたり、無理に何かさせようとすることではなく、親の責任を言い募るのでもなく、お腹をすかせているならお腹いっぱい食べて、家や学校では気が休まらないなら、ゆっくり休める場所をつくり、親や他の家族にも余裕がないなら、他の誰かが受け止め、子ども達の中で眠っている意欲の芽が育ってくるのを信じて待つことではないでしょうか。www.facebook.↑の記事のなかにある

「魚をあげるんじゃなく、魚のとり方を教える。」
対人支援の基本の基として教わりましたが、教える必要なく、環境だけ整えていけばいいんですね。

という言葉に、心の底から共感します。子どもだけでなく、その親や家族に対しても、支援者が「魚のとり方を教える」というのではなく、まずはおなかいっぱい「魚」を食べて、休んで、生きる気力や意欲を取り戻し、自分から「魚をとろう」「なにかをやりたい」と思える環境を整える、「やりたい」ということには、どんなことでも出来る限り対応するというCPAOの姿勢は、本当に素晴らしいと思います。「環境を整える」というのは、単に道具を揃えたり、場所を作ると言うだけでなく、「なにかをやりたい」と思えるようになるまで、焦らず待ち続けられる体力を維持することでもあります。決まった期限があったり、目に見える結果が出せなければ続けていけない活動では、子ども達に対しても、ゆったりと待ち続けることは難しく、ついつい焦って、善意を押し付けてしまったり、何も出来なかったという不全感を残すこともあるかもしれません。CPAOが、これからも、子ども達の育ちを見守り、困難な状況にある親子や家族を支え続けて行くためには、まず、十分な資金が必要です。大阪市から認められ認定NPOになったことですし、あれやこれや口出ししないで団体を信じて投じる寄付が沢山集まれば、盤石ですね。…などと言いながら私個人に出来ることは微々たるものですが、こちらから、毎月寄付させていただいています。ほんとにほんとに「微々」ですが、「微々」も積もれば…と思いながら、これからも続けていくつもりです。cpao0524.org 親子が安心して過ごせる居場所作りのため、様々な活動をつづけ、広げているCPAO(子どもの貧困アクショングループ)は、2010年西区二児放置死事件、2013年北区母子変死事件というふたつの象徴的なふたつの事件をうけて、「悲劇を繰り返したくない」と子ども支援関係者を中心に立ちあげられました。

cpao0524.org

事件があった天神橋商店街などでのアウトリーチ、シングルマザー100人への聞き取り調査を行い、結果をまとめて発表するなどの啓発活動とともに、全国からも寄せられるSOSに応じて、週3回のごはん会など食料援助や、必要な支援を受けられるよう行政や他のNPO団体と繋げたり、拠点でのごはん会やお泊り会、里山合宿で親子が安心してのんびり過ごせる場所や時間をつくり、政策提言も続けています。

www.sankei.com

しかし、残念ながら、今も悲劇はなくなりません。幼い子どもが犠牲になる事件は繰り返されています。悲惨な事件を食い止めるために、私たちは何が出来るのかを引き続き考えていきたいとおもいます。ー続くー(文責:山根)

【開催します】第4回理科ちゃんママ「防災から考える感染症、予防接種」

 

第11回メディ・カフェ@関西「医療って不確実なもの?~ともに考える、子どもたちの未来~」にひきつづき、一般社団法人知ろう小児医療、守ろう子どもたちの会との共催で、医療講座「防災から考える感染症、予防接種」を開催します。           

 

 メディ・カフェ@関西&知ろう小児医療守ろう子どもたちの会共催講座

第4回理科ちゃんママ

「防災から考える感染症と予防接種」

 

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 阪神淡路大震災より21年たった関西地域でも、30年以内に震度6弱以上の地震が起こる確率は、兵庫県(神戸市)45%、大阪は55%と言われています。震災だけでなく、あいつぐ強力な台風や自然災害による被害も大きく、災害は「必ず起こる」と想定しておきたい現状です。

特に、小さな子供を抱える私たちにとって必要なことは、震災の時、どのようなことを想定し、だからこそ、日常では、どのように対策をとっておくべきなのかを知ることです。

講師は、熊本地震の際、世界の医療団日本MDMJとして「安心安全な空間」を設置することによる子供の心のレジリエンス強化を実施。医療系NGOという立ち位置から、臨床心理士の配置やナース、医師も参加する「親子カフェ」の運営に参加されていた小児科医の早川依里子先生です。

私たちに欠けている危機意識や日ごろから出来ることについて改めて考える時間です。

 

【日 時】11月20日(日曜日)13時より

【会 場】フリースペース らこんて中崎 

【会 費】1000円(税込)

【定 員】15名(大人 先着順)

【申し込み方法】 お名前とご連絡先、お子様連れの場合は、お子様の性別と年齢(月例)を添えて、申し込みフォームより、お申し込みください

                       

 

 

 

 

 

【開催します!】第11回メディ・カフェ@関西「医療って不確実なもの?~ともに考える、子どもたちの未来~」

第11回メディ・カフェ@関西
医療って不確実なもの?~ともに考える子どもたちの未来~ 

医学が進歩し、かつては治らなかった病気も治り、ワクチンや予防医療により、病気にかかることも防げるようになりました。しかし、一方で、どんなに手を尽くしても、救えない命もあります。

医療技術が発展しても、合併症や副作用のリスクはゼロではなく、その確率がどんなに小さなものであっても、不幸な結果になってしまったら、とりかえしがつきません。
自分自身や家族、そして、幼い子どもたちのために、私たちは、この不安とどう向き合えばいいのでしょうか。

来年、会創立10周年を迎える
「一般社団法人知ろう小児医療、守ろう子ども達の会」 http://www.shirouiryo.com/ 代表、阿真京子さんをスピーカーにお迎えし、「医療の不確実性」について考える、ワークショップを開催します。

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【日 時】 11月19日(土)13:30~17:30

【会 場】 カフェコモンズ(大阪府高槻市)
    

      アクセス JR京都線「摂津富田」駅下車、南出口より徒歩3分、

      もしくは、阪急京都線「富田」駅下車北出口徒歩2分ウエストビル5階 


【スピーカー】
 一般社団法人 知ろう小児医療守ろう子ども達の会代表
        阿真京子さん プロフィール  


【会 費】2000円(税込 ワンドリンクつき)

【定 員】 20名 (先着順)

【申し込み方法】 お名前とご連絡先、簡単な自己紹介を添えて、告ちーずか、メールで、お申し込みください。


メディ・カフェ終了後、懇親会(別に会費必要 3000円程度)開催いたしますので、懇親会の出欠も合わせてお知らせください

 

 

 

 

「守ろう!健康!育もう!未来!子ども元気フェスタ」で会いましょう

 

 

熊本、大分を中心に被災された九州の皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。

 

メディ・カフェ@関西では、来る4月24日、大阪天王寺公園内で開催される、世界髄膜炎デ―呼応イベント「守ろう!健康!育もう!未来!子ども元気フェスタ」にて、摂食嚥下に問題のある子の親の会「つばめの会」の賛助会員としてブース展示をお手伝いをさせていただきます。


また、会場各ブースにて、熊本で被災された、がんばりっこさんたち(未熟児、病児、障害児)へ、特殊な日用品や医療品など必要な援助が届けられるように、がんばりっこ応援募金箱を設置しています。

がんばりっこ応援募金について http://ganbarikko.net/?p=8942

(ブログより引用)

“必要な人” に “必要” を届けたいので協力してください!
投稿日:2016年4月15日 | カテゴリー:2016熊本地震

熊本の地震で、沢山のがんばりっこがサポートを必要としています。
(がんばりっことは、未熟児・病児・障害児のことです)

・特殊な日用品や薬等の入手はとても難しいです
・電気製品を使う子にとっての停電は命に関わります
・支援物資を受け取りに行きたくても行けない人がいます

大きな地震が続く今、長期的でそれぞれに違うサポートが必要となります。

“必要な人” に “必要” を届けたいので、協力してください!

 


「守ろう!健康!育もう!未来!子ども元気フェスタ」は、マジックやクイズラリー、しゃぼん玉リリースなどなど、親子で楽しみながら、子どもの健康について学んでいただけるコンテンツ満載の楽しいイベントです。どなたでも気軽にご参加いただけますので、是非、天王寺公園てんしばまで、遊びにきてくださいね。


https://www.facebook.com/wmd2015japan/

 

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【終了しました】第10回メディ・カフェ@関西「路上(みち)から生まれたプロジェクト~ホームレスのヘルスケアから考える、ひとはなにによって生きるのか~」

 

去る11月22日日曜日、大阪高槻市内「カフェコモンズ」にて、第10回メディ・カフェ@関西「路上(みち)から生まれたプロジェクト~ホームレスのヘルスケアから考える、ひとはなにによって生きるのか~」を開催しました。
話題提供してくださったのは、医師の西岡誠さん。ちょうど一年前に、第7回メディ・カフェ@関西コーラと「ホームレス」~あなたなら、どこでどんな未来を生きたいですか?~」にご登壇いただいた精神科医森川すいめいさんとご一緒に、世界の医療団東京プロジェクトのボランティア医師として活動されています。
大阪ご出身で帰省中の西岡さんは、年末におせち弁当の差し入れをしている奥さまと、ホームレスのおっちゃんたちに可愛い笑顔をふりまいている、2歳の息子さんと一緒に、ご家族で来てくださいました。
この日、11月22日は「いい夫婦」の日ということで、奥さまにもふとんで年越しプロジェクトに差し入れしている手製おせち弁当のお話をしていただきました。

 

路上から生まれたプロジェクト
~ホームレスのヘルスケアから考える、ひとはなにによって生きるのか~スピーカー:西岡誠さん

 

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ホームレスの「健康問題」?

ホームレス状態になったのは、気ままな暮らしが好きな人たちが自由意思で選んだ生き方、あるいは、集団生活の決まりを守らず、コツコツ働くのが嫌で好き勝手してきた結果なのだから、すべて自己責任と思われてしまいがちなホームレスの人たちですが、本当にそうなのでしょうか。
ホームレス状態に陥る理由や背景は、様々です。参考:なぜ「ホームレス」が生まれるのか、なぜ抜け出せないのか(特定非営利活動法人 TENOHASIホームページより)
路上生活者の半数以上は、建築現場などでの日雇い労働や、社会保障がない非正規雇用で仕事についています。収入も不安定で、仕事がなければ収入も減り、家賃や光熱費などが払えず、住居を退去せざるをえません。病気やけがで働けなくなると、さらに困窮し、食事も十分にとれず、医療も受けられずに状態がさらに悪化しても、生活保護福祉制度を利用することに「家族や他の人にも迷惑をかけたくない」と考えて強い抵抗があったり、社会的に孤立し、助けてくれる制度についての情報を得られないなど、様々な事情で路上での生活を余儀なくされているのです。
また、世界の医療団などの調査により、東京で路上生活をしている人の約半数に知的、精神、発達障害認知症などの障害や病気を抱えていることもわかっています。

 

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路上生活が健康に及ぼすリスクも深刻であり、大阪市内での調査では、ホームレスの人たちの死亡時平均年齢56.2歳、死因の内訳は病死59%、自殺16%、不慮の外因死15%。病死は心疾患、肝炎、肝硬変、肺炎、肺結核、脳血管疾患の順に多く、野宿者の死亡率は全国男性の平均を1として、心疾患3.3倍、肝炎肝硬変4.1倍、肺炎4.5倍、肺結核44.8倍、自殺6.0倍(逢坂隆子ら平成15年大阪市におけるホームレス者の死亡調査)という調査結果がでています。

世界の医療団東京プロジェクトでは、池袋を中心に、炊き出しや夜回りや医療相談などの支援活動を10年以上続けてきました。しかし、ホームレスの人たちの生命を脅かしている病気の治療や、健康問題を根本的に改善しようと思えば、やはり、路上生活からの脱出が必要です。しかし、東京には、簡易宿泊所やシェルターなどはたくさんありますが、中には「貧困ビジネス」と思しき粗悪なものが多く、そういった劣悪な住環境(参考:年金が生活保護以下で「老後破綻」 漂流し、搾取される高齢者 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版年金が生活保護以下で「老後破綻」 漂流し、搾取される高齢者)から逃げ出し、過酷な路上生活に戻ってきてしまう人も少なくありません。



「ハウジング・ファースト」~まず住居からはじめよう~

こういった路上生活者についての問題は、欧米でも共通していて、各地でさまざまな調査や取り組みがされてきましたf:id:medicafewest:20151122141503j:image:medium:right

 

 

イギリスのホームレス平均死亡年齢は47歳。「依然として、ホームレス状態の人々の健康に深刻な影響を与え続けている。一般人口に比し、感染症及び慢性疾患、劣悪な精神衛生、依存症のリスクが高く、暴力の被害を受けやすい、また死亡率は4~7倍高い。(アメリカ疾病予防管理センターCenter for Disease Control and Prevention)

中でも最近注目されているのは、欧米のホームレス支援団体が実践している「ハウジング・ファースト」というアプローチです。
ハウジング・ファーストとは、路上生活からの脱出の為には、プライバシーが守られ、清潔で快適な住居を得ることが最優先という考え方であり、依存症の治療や自立訓練をへて就労を確保した人から、住居を得ることができると言う日本従来のシステムとは大きく異なります。
欧米での実践では、路上生活に戻ってしまう人が圧倒的に少なく、医療費や介護費が減少して、結果的にトータルコストが低くなることがわかっています。
日本でも、徐々にハウジング・ファーストの理念が広まり、東京都渋谷区では、渋谷区長の協力をえて、日本初の公的ハウジングファーストプロジェクト「アイ リブ シブヤ プロジェクト」が始まろうとしています。世界の医療団からもコーディネーターの中村あずささんが、プロジェクトメンバーの1人として参加されています。

こうして長年ホームレス生活をしてきた人でも、安心して暮らせる住まいがあれば、再度路上に戻ることなく、安定した暮らしを続けられることがわかってきました。

しかし、住まいがあれば、それでいいのでしょうか?西岡さんは、住居を得たあとの支援が重要だといいます。
路上生活者には、路上生活者同士の繋がりがあり、アパートに入居することで、その繋がりが断たれ、孤立して部屋に引きこもってしまうケースも多く、東京プロジェクトでは、アパート入居後も、パソコンや料理教室や農業体験などを企画したり、アパートに入居した後も孤立しない為の支援を『ビヨンド ザ ハウジングファースト』として様々な取り組みを行っています。
また、住居を得て、路上生活を脱した元ホームレスの人たちが、炊き出しや夜回りなど、ホームレスの人たちの為の活動で、ボランティアをまとめるリーダーになったり、1人で食事をする子どもたちに、にぎやかで楽しい食事の場を提供する要町あさやけ子ども食堂へ、焼きたてのパンを届けたりもしています。



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敷居が低くて、気難しい医者のいないクリニック始めます

森川すいめい氏をして「ホームレスの人たちの健康問題に情熱を燃やす名内科医」と言わしめる西岡誠医師が、最も情熱を傾けているプロジェクトが、来年4月開業予定の「ソーシャルワーカーズオフィスクリニック」です。精神科医である森川すいめいさんと内科医の西岡さんが診療を行います。

西岡さん「ホームレスの人たちは、医療を受けたいと思っても、症状や自分のことをうまく説明出来なかったり、コミュニケーションが難しいこともあり、医療機関から敬遠されることも多い。また、今ある辛い症状は、なんとかしてほしいが、長期の治療を続けて行くことはなかなか難しい。エネルギー制限や減塩が必要でも、低賃金で過酷な仕事の為には、安価で塩分の多い食事を摂らざるをえません。そういうホームレスの人たちの事情や心理を理解した上で、親切で、質の良い治療を提供できる、敷居が低くて、気難しい医者のいないクリニックが必要です。
また、路上から抜け出した人たちが、路上に戻らない為の支援活動をしていく主力は、医師ではなく、ソーシャルワーカーやナースですが、ボランティアでの活動では、限界があります。ですから、ソーシャルワーカーズオフィスクリニックでは、ソーシャルワーカーやナースが支援活動に集中し、存分に力を発揮できるよう、ちゃんと生活していけるだけの給料を払います。医者の給料は最低賃金です(笑)」




「おせち」はいかが?~ふとんで年越しプロジェクト番外編 スピーカー 西岡さんの奥さま~

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ふとんで年越しプロジェクトとは・・・https://motion-gallery.net/projects/futon-toshikoshi2015
行政の窓口が休みになる年末年始、新宿、渋谷、池袋、山谷地域などで、各団体がをおこなう「越年・越冬活動」で、路上生活を送る人や仕事も家もなくネットカフェなどで過ごさざるを得ない人々に、出来るだけ温かい部屋で過ごしてもらえるシェルターを用意しようと立ち上げたプロジェクト。
もちろん西岡さんも一年目より「常にあつい」ボランティア医師として参加されています。
参考:ホームレスの居場所、ホテルのシングルは贅沢なのか。「ふとんP」の6日間から考える(ハフィントン・ポスト)


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奥さまは、西岡さんから「ふとんで年越しプロジェクト」の話を聞き、
「年末年始は行政の窓口だけじゃなく、いろんなお店も休み。
一旦シェルターに入った後出かけるのもたいへんだろうし、
お正月だし、おせちでも持っていく?」と差し入れを申し出たそうです。

もともと料理が好きで、例年、おせち料理も家族だけじゃなく、親戚や友人にも作って持って行ったりしていたという奥さま。
シェルターにおせち料理を差し入れした最初の年は三段の重箱に詰めて、西岡さんに持って行ってもらいましたが、あとでスタッフが人数分に分けていると聞きました。それでは、かえって手間がかかるし、衛生面でも問題があると考え、二年目の昨年は、おせち料理助六(巻きずしといなりずし)を30人数分にわけて弁当にすることにしました。

 

料理の品目もおせちらしいものに絞って、27品目から18品目に変更し、手元にのこせるように日持ちする和菓子を追加。

このおせち弁当は、たとえば伊達巻ひとつとっても、鯛の切り身ですり身をつくるところから手作りです。数日かけて1人で調理し、折詰にわけて詰める作業は、友人や知人に手伝ってもらいました。

 

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おせち弁当の差し入れのお話は、関西で長らく支援活動をされてきた参加者の方々の関心も高く、

「お正月には御雑煮が食べたいという声も多いです。しかし、作ってあげたくても、屋外で大量に調理する炊き出しでは、餅は溶けてしまうので出来なくて残念だったんですが、おせち料理なら、何か出来るかも・・・」と懇親会の間も、準備や調理のスケジュールの立て方などのおせち談義で盛り上がっていました。

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(後日談・・・2015年度も、20食分のおせち弁当を差し入れされたとのこと。お疲れ様でした。)


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西岡さんご夫婦それぞれの話題提供をうけて、このあとは、関西の各方面で活動されている方々や、医療、福祉関係者、福祉を学ぶ学生さんや大学の先生らと意見交流となりました。

懇親会も引き続き「カフェコモンズ」でお世話になりました。味のしみた温かいおでん鍋を中心に、今回も美味しい料理ばかりで、参加者の皆さん同士で話も弾み、とても盛りだくさんな一日となりました。(文責 山根)


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