メディ・カフェ@関西HP

第4回メディ・カフェ@関西終了しました

梅雨の晴れ間の肥後橋のAlbino http://www.albino.co.jp/index_pc.htmlを終日貸し切り、第4回メディ・カフェ@関西「もうひとつのがん難民〜医療の限界と制度のすき間で〜」を開催しました。
http://d.hatena.ne.jp/medicafewest/20120612/1339459254
スピーカーは、寿山会ホームケアクリニックの西岡誠先生

テレビや雑誌などのメディアで取りざたされる「がん難民」は、地域によって受けられる治療法に差がある、海外では使われている抗がん剤が日本では認証されずに保険の適応じゃないなどで、納得できる治療が受けられないことをいうが、実際の診療の現場では、そういう患者に出会うことはほとんどない
むしろ、「もう急性期の病院では治療できないので退院といわれたが、どこにいっていいのかわからない」と途方にくれる患者や家族のほうが圧倒的に多い。また、在宅医療を受けるにも介護してくれる家族もない人や本当に行き場もない、そういう患者さんたちのほうが「難民」という言葉が当てはまっているし、問題も多いのにメディアからも社会からも注目されることはないのはなぜか?というお話を伺いました。
たしかに、一般人である私の印象としても、がん患者や家族の知り合いは多いですが、大学病院からは退院をいわれたけれど、訪問看護をどこに頼んでいいのか、在宅でちゃんとした緩和ケアが受けられるのかもわからなくて困ったという人はたくさんいるなと思いました。

今回の参加者も、在宅医療に取り組まれている医師、助産師、生命倫理学者、市議会議員、ジャーナリスト、会社員、主婦、赤ちゃん(笑)と多岐にわたり、テレビや雑誌のいうがん難民とは違う「もうひとつのがん難民」が注目されない理由はなにか、ころころとかわる診療報酬や医療行政に振り回される現場と患者の間には、信頼関係が築かれにくく、転院しなくてはいけないときの患者の「見捨てられ感」が強くなっている一方で、国の医療費や社会保障費削減の効果もなく、むしろ社会保障費は上がっていること、患者や家族の死と向き合うことの恐怖、専業主婦ありきの、現在の家族の形態にそぐわない制度、介護する家族の心身の負担が増えていくことへの不安などについて、それぞれの立場や専門分野から様々な意見や質問が活発にかわされました。
参加していただいた宝塚市議会議員さんもブログに感想を書いてくださっています。
http://www.teramoto-sanae.net/houkoku.cfm?id=3359

今回は、2組の赤ちゃん&ママが抱っこしたり、にわか作りですが赤ちゃんコーナーなどで遊びながら、参加してくださり、にぎやかなメディカフェとなりました。

メディ・カフェ終了後、ひきつづき、Albinoで参加者のみなさんと懇親会もさせていただきました。
初めてお会いした皆さんとも、おいしいお料理とお酒(ドリンクメニューの多さにびっくり)をいただきながら、さらに医療や介護や生命倫理その他について盛り上がりました。
私たちの為に、授乳コーナーもつくっていただいたり、Albinoのオーナーさんにもお世話になりました。いつも、明るくリラックスできるスペースをありがとうございます。

そしてそして
過去2回のメディ・カフェでスピーカーをつとめてくださった、現在NPO申請中の市民メディア「パブリックプレス」の熊田梨恵さんにも、企画や広報等でご協力いただきました。メディ・カフェの中でも、医療行政の実情について分かりやすく解説いただき、ありがとうございました。
今後とも、よろしくおねがいします。