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『生まれない』 妊娠・出産・育児に関する悩みあれこれ。-妊娠編その4- 

悩みながらもほぼ毎日歩き、予定日直前の健診日を迎えました。
助産師外来の日だったのですが、それまで何の問題もなかった血圧が突然跳ね上がっており、急遽主治医の診察を受けることになりました。
そこで、妊娠高血圧症候群疑いと予定日超過のため、分娩誘発を行うことが決まり、予定日を過ぎた週明けから入院、陣痛促進剤の点滴が始まりました。

初日の月曜日は子宮口を広げるためにメトロというバルーンを挿入し、陣痛促進剤の投与は2日目からという説明を受け、もうすっかり火曜日には産む気満々でいました。
どんなに陣痛が長引いても水曜日には生まれるだろうと。

ところが、陣痛がつかないのです。
火曜日から1日中点滴を受けていたのですが、毎日点滴速度を最大まで上げられるのに、周期的なお腹の張りが続くだけで、まったくそこから進みません。
まる1週間それが続いた月曜日、「明日もだめなら午後から帝王切開に切り替えましょう」と言われました。
運命の火曜日、初めて本格的な陣痛が来ました。
それはもう、一発で「ああ、今までのお腹の張りは陣痛じゃなかったんだ」と分かるぐらいの、しゃべる余裕などない激しい痛みでした。
しかし、内診の結果、児頭が下がってきていないとのこと。
にもかかわらず、私自身は気づいていなかったのですが、破水していたようです。
破水している以上、早く赤ちゃんを出してあげないといけないということで、分娩停止により緊急帝王切開となりました。
確認したわけではありませんが、先生の話では、骨盤よりも児の頭が大きい「児頭骨盤不均衡」であろうということでした。

生まれた子は体重が3964gのビッグベビー!そら簡単には出てこんわという感じです。
結局、41週3日での出産となりました。

よく、予定日を過ぎても生まれない時に「赤ちゃんが出てきたいタイミングで出てくるんやから、それを待ってあげようね」というようなことを言いますが、私の場合、出てきたくてもつっかえて出られなかったようです。
私の知る限りでも、友人が2人、これを経験しています。
待っていたらどうなったのか。
恐ろしい話ですが、「母子ともにあの世行き」だそうです。
前述の友人の一人は「あと30分帝王切開が遅ければ危なかった」と言われたそうです。

「待ってあげようね」はよく聞きますが、度を超えて待ってしまった場合どうなるのかについては、なかなか私たち一般人の耳には入ってきません。
知らないことについては心配しようがありませんし、「待ってあげようね」と言われれば待ってあげるのが赤ちゃんのためだと思ってしまいます。
けれど、何も知らずに待ったために危険な状態になってしまったら。
そして、その時すぐに帝王切開ができないような場所にいたら。

ちなみに、緊急帝王切開ですが、私の場合、手術の決定から開始(メスが入る)まで、インフォームドコンセントなども含めて2時間程度かかりました。
危険な状態で搬送されてきたとしても、導尿などの前処置は避けられませんから、手術開始までどんなに急いでも30分はかかるのではないでしょうか。
ということは、前述の友人のように「あと30分遅ければ」という状態の人が、すぐに帝王切開ができないような施設で産もうとしていた場合、搬送されてきて術前の処置をしている間に手遅れ、という可能性もあると思います。

ここまでの経験をした私は、医療体制の整わない場所で産もうとすることがどれだけ危険なのか、具体的に想像でき、絶対にそんな危険は冒さないと断言できます。
また、友人が安全とは言えない場所での出産を希望した場合、私の体験談を伝えて何とか阻止すると思います。

ただ、今回の2週間に及ぶ入院生活で、「病院で出産なんて絶対いや!アットホームなところで産みたい」と思う気持ちも少し理解できましたので、次回はそれに触れてみたいと思います。