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『そこまでして母児同室にしなければならないのか』妊娠・出産・育児に関する悩みあれこれ。-妊娠編その5-

これまで書いてきた通り、出産に至るまでには様々なトラブルがありました。
設備の整った施設を選択していて良かったと、心から思っています。
ですが、それでも、入院中にはいろいろな不満があり、「これじゃ病院はイヤっていう人がいても責められないな」と思ったことは一度や二度ではありません。
これから少し、その不満について触れていきたいと思います。

不満の1つ目は、かなり無理やり感の漂う母児同室システムでした。

私が出産した病院は母児同室を基本としていました。
それ自体はいいことだと思いますし、母児同室そのものに異を唱えるつもりはありません。
ただ、やり方や環境に問題がないのか?非常に疑問を感じました。
私のいた病室は4人部屋だったのですが、もともと普通の病室のため、一人分のスペースはベッド周りに少しの余裕がある程度で、赤ちゃんのコットを置くともうギリギリでした。
また、空調設備が古く、窓際にエアコン吹き出し口があるため、窓側のスペースは暑いのに廊下側では寒いという状態で、しかも部屋全体が恐ろしく乾燥していました。
さらには、部屋の入り口には少しですが段差があり、授乳室でうとうとと眠りついた赤ちゃんをコットに乗せて部屋に戻ると、入り口の段差で赤ちゃんが起きてしまいます。
ただでさえ慣れない育児で神経をすり減らしている私にとって、この環境は相当のストレスでした。
少なくとも、この病院の設備では母児同室には無理があると、ずっと感じていました。

もう一つの問題としては、同室の人がすべて、赤ちゃんと一緒にいられるわけではないという部分です。
たとえば出産前の私のように入院して誘発をかけている人も、赤ちゃんがNICUに入っていて一緒にいられない人も、いっしょくたに同室なのです。
同室の赤ちゃんの泣き声は、なかなか生まれない私にとっては軽いプレッシャーでした。
また、赤ちゃんがNICUにいて直接授乳ができない人にとっては、ほかの人が赤ちゃんと一緒にいる様子が手に取るようにわかるのは、拷問にも等しいのではないかと思いました。
一方、赤ちゃんと一緒にいる人も、同室の人たちのそういう事情はなんとなくわかりますから、赤ちゃんが泣くと必要以上に気を遣ってしまいます。

初めての育児のとっかかりなんて、ストレス源は少なければ少ないほどいいと思うのに、この病院での母児同室システムは、本当にストレスだらけでした。

これがもし、「アットホームな」施設だったら、または自宅だったら、もっと過ごしやすいだろうと思います。
実際、2週間の入院生活を終えて実家に戻ってから、必要以上に気を遣わないでいいというのは本当に楽だと思いました。
産んだ直後から気兼ねなく過ごしたいと考える人がいるのも、無理からぬことかもしれません。