メディ・カフェ@関西HP

「私が戻ってきたきっかけ」妊娠・出産・育児に関する悩みあれこれ。−育児編その4ー

母乳信仰やサイレントベビーに関する恐怖の情報から逃れられず、ひどく息苦しい時を過ごしていたのは、今振り返れば本当に短い時間でした。

娘が4ヶ月の頃、友人が家族で遊びに来てくれました。友人夫婦には私の娘と数日違いで生まれた双子がおり、つまり遊びに来てくれた時には4ヶ月の子を2人育てていたということになります。
友人家族が我が家に着いた時、双子ちゃんは長旅の疲れと空腹で大泣きの真っ只中でした。
挨拶もそこそこに、友人夫婦はてきぱきとミルクを作り始めました。1人が調乳し、もう1人が子供2人を交互にあやします。当然、1人の子にかかりっきりになることはできないので、ある程度泣かせっぱなしになります。そして、友人は泣き止まない子をことさらに気にするふうも、逆に完全に放置するふうもなく、ただ笑いながら交互に2人の相手をしていたのでした。
その光景を見ていると、数ヶ月の間私の心にかかり続けていた霧がすっと消えていったのです。

泣かせっぱなしは良くない、泣いたらすぐに対応しなければならない。そうしないとサイレントベビーになる。ミルクは良くない、栄養面でも愛情面でも母乳が一番。混合授乳をしているとそのうち完全ミルクに移行してしまうからがんばって完母を目指しましょう!
私が惑わされていたこれらの言葉は何だったのでしょうか。目の前にいる双子ちゃんはとても健全に泣いていて、うちの娘よりもずいぶん小さく生まれたはずなのに同じぐらい丸々と健康そうで、とても幸せそうでした。
なんや、泣かせっぱなしでもええんやんか。完ミの何が問題やねんな。何の問題も無いやんか。
目の前で、その実例を2人分も見せられて、どんな育児書よりも深く納得しました。
この時、私は「サイレントベビー」「完母教」の呪いから解放されたのです。

その後も今日に至るまで、このブログのネタになるような悩みはつきませんし、自分のダメっぷりに気分が落ち込んで這い上がれなくなることも多々ありますが、少なくとも育児について何かの言説を目にした時、その情報から一歩身を引いたところで周囲の状況を見て判断するだけの余裕を持てるようにはなりました。