メディ・カフェ@関西HP

【終了しました】第7回メディ・カフェ@関西 コーラと「ホームレス」〜あなたなら、どこでどんな未来を生きたいですか?〜」

「てっとり早く効果的に生産性をあげる方法は、何を行うべきかを明らかにすることである。そして、行う必要のない仕事をやめることである」
ピーター・ドラッカー


去る11月17日日曜日、京都のアンテナカフェ丸太町にて、NPO法人TENOHASI代表の精神科医、森川すいめいさんをお招きして、
第7回メディ・カフェ@関西 コーラと「ホームレス」〜あなたなら、どこでどんな未来を生きたいですか?〜」を開催しました。
京都は行楽シーズン真っ最中、最高の人手で賑わう中、お越しいただいた皆様、ありがとうございました。

森川すいめいさんは、線の細いもの静かな方で、地元民なのに方向音痴の私に、思いっきり反対方向に歩かされても、笑顔で許してくださいました。ほんとに失礼しました。
会場は前回と同じ、アンテナカフェ丸太町。20人弱の参加者で、すいめいさんを囲み、参加者同士の距離も近く、非常にぜいたくな会となりました。進行は、簡単な挨拶のあとは、すいめいさんにお任せし、私も一参加者として、ワークショップやディスカッションに参加させていただきました。


オープニングでは、前日に立教大学で開催された東京都成人(大人)発達障害当事者会「コミュニケーション・コミュニティ」イイトコサガシさんとのイベントで紹介されたストレッチで緊張をほぐし、「あいうえお自己紹介」で割り振られた50音の行の5文字を頭文字に短い自己紹介。振り分けられた行によっては、とっても難しかったのですが、たとえば私はあ行プラス小さな「つ」。「あっという間に最近寝てしまう山根です」「いっかいは反対方向に歩いてし合う方向音痴な山根です」「うっとうしい性格の山根です」・・・という感じです。頭を使いましたが、楽しく、ワークショップに入る前に参加者同士で打ち解けられてとても良いやり方だと思いました。


「コーラ」とは?


精神科医であるすいめいさんのところを訪れる患者さんの多くが、「夜眠れない」という悩みをもってこられます。
不眠を訴えられると多くの精神科医が睡眠導入剤を処方し、薬が効かなくなると薬が増えたり、強いものに変更になったりしますが、よくよく患者さんの話を聞いていると、夜寝る直前まで、コーラを飲んでいるということがあります。飲むとすっきりして、元気が出るコーラにも、コーヒーやお茶と同じくカフェインが含まれています。
なぜ、コーラを飲むのかと尋ねると「日中眠いから」
おそらく、夜寝つきが悪く睡眠が足りない、あるいは睡眠導入剤が翌朝も残って眠くて、日中の仕事や活動に支障があり、眠気予防のためにコーラなどを多く飲む→余計に眠れなくなる→睡眠不足・・・の悪循環に陥っているのではないかと考え、「夜コーラを飲むのはやめましょう」というと、睡眠導入剤に頼らなくても眠れるようになるのだそうです。
「コーラはカフェインを含む飲料水である」ことと「その患者さんがコーラをたくさん飲んでいること」を知っているだけで、患者にとって、本当に必要なものが見えてくる、そういうヒントを知っていると支援の仕方が変わり、効果も絶大というわけです。
「コーラ」は、そんなヒントのひとつなのでした。

(例)
「ばあちゃんがほしかったのは、洗濯機じゃなかった」
東日本大震災の避難所で暮らしていた、あるばあちゃんは、洗濯機がほしいと思っていました。しかし、念願の洗濯機が届いても、ばあちゃんはうれしくありませんでした。
届いた最新式の洗濯機はばあちゃんには使い慣れないものでした。それでも、説明書を読み、悪戦苦闘しながら洗濯しようとしていると、ボランティアの人たちが「いいよ、いいよ!私たちでやっておくから」と取り上げてしまったのです。
ばあちゃんが洗濯機を要望したのは、毎日瓦礫を片付け復興のために働いているばあちゃんの子供たちのため、自分は何も出来ないことを歯がゆく重い、洗濯機があれば、自分も子供たちの洋服を洗濯してやることができる、自分も働くことが出来るとおもって要望したのです。洗濯機が来ても、人に迷惑かけて世話になるばかりで何も出来ない・・・ばあちゃんはすっかり気落ちしてしまったそうです。
「自分にも出来ることをやりたい、子供たちのためにしてやりたい」
そんなばあちゃんの本心を知らないでいたら、落ち込んでいるばちゃんの態度は不可解なものにみえるでしょう。
ばあちゃん自身も、自分が本当に必要としているのが「洗濯機」ではなかったことに気がついていなかったかもしれません。


「WANT」と「NEED」



このような行き違いは、行政と住民の間にもよく起こります。
住民の要望としてあがってくることが、必ずしも、本当に住民にとって必要なものではないことが多く、要望のひとつひとつが通ったとしても、何も解決していないということがあると、行政と住民の間の溝が広がります。行政や医療、福祉関係者などの支援者側からすれば、支援を必要としている当事者の要望を聞いてかなえても、ちっとも改善しないし文句まで言うとなれば、「当事者はわがまま」だと思ってしまうかもしれません。なんとか当事者のために要望を叶えようとする熱意のある行政担当者や医療、福祉従事者ほど、次々不満ばかりをいう住民との軋轢に心が折れてしまうかもしれません。

睡眠導入剤や洗濯機のようなリクエスト(WANT)は、その物があればいいということではなく、本当に必要な、その人が抱えている問題の解決法(NEED)は別にあることが多いのです。

この問題について、すいめいさんは、支援者が、当事者の人の話をたっぷり時間をかけて聞き、自分だったらどうか、どういう未来を生きたいのか、そのために何が必要かを共に考えていくことで、本当に必要な支援=NEEDがわかるとおっしゃっていました。
当事者本人でさえ気づいていないNEEDを探る。時間も手間も大変かかるように思いますが、NEEDがわかり、支援の方向がわかれば、こまごまとした要望(WANT)に振り回されず、効率も効果もあがるし、支援が無駄のない楽なものになるし、何より当事者が救われます。
現場はどこでも、人手も予算も足りず、問題は山積しています。一人一人とゆっくり話をしたくても、不可能なのが現状だとおもいます。
すいめいさんは、日々の活動や診療の中で、当事者にとってのNEEDを探り適切な支援策を考えるために、ピーター・ドラッカーの「マネジメント」やコトラーの「マーケティング3.0」などを参考にされているのだそうです。

ここまで、すいめいさんから、さまざまな「コーラ」にかわるヒント探しについてのお話を聞いた後、ワークショップとなりました。



栃木県で、二ヶ月間野宿をしていた70代の女性が、2時間で路上から脱出できた理由を考える
立ち話ワークショップ、ワールドカフェ風


後半は実際にあった事例をもとに、「ホームレス」といわれている人たちのさまざまな事情や背景や現在の心理など、さまざまな参加者の視点で意見を述べ合い、共有しました。


多様性の包摂


ホームレスの人たちが生活保護を申請しようとするとき、問題になるのは何か?
そもそも、路上生活は悪いことなのか?ホームレスの人たちは、自分たちで望んでいるのではないか?という疑問に対して、実際に、東京や京都でホームレス支援をされている人たちから、路上生活が危険であること、京都でも凍死者がでていること、字が書けないことが恥ずかしくて申請できなかったり、生活保護の申請に窓口までいっても、いろいろと言われて申請をうけつけてくれない「水際作戦」で跳ね除けられたり、「生活保護は人様の税金なのだから、自分はお世話になる資格がない」と思う人や、福祉の世話になることを恥だと思う人もいるという話もでました。実際の福祉行政の現場も、問題はありますが、親切に対応してくださるところも少なくなく、「福祉制度」そのものを良く知らなかったり、悪いイメージを持っている人もいるのではないかという意見もありました。
また、申請することで家族に迷惑がかかる、虐待から逃げてきたのに居所が家族にわかってしまうのを恐れて申請できないというという人もいます。

福祉とつながり、福祉施設に入所しても、家族のもとに帰っても、路上に戻ってくる人も少なくありません。
アブラハム・マズローは、食べたり眠ったりという生理的な欲求がまず満たされて、その上に承認され、自己実現への欲求が生まれるとしていましたが、後年、自己実現ができ、自分として承認される場でこそ、安心して暮らせるのではないかと考えていたという話もお聞きしました。※マズローの逆ピラミッド
規則で縛られ、いやな事をいやだともいうことができず、施設での生活ができない人や、家族から肉体的、精神的、性的虐待を受けていたり、機能不全家族の中で育ち、家の中では、自己肯定感を保てず苦しい思いをしている人もいます。家族や親戚から離れなければ、一人にならなければ、自分を大事にして生きていくことが出来ない人もいます。
参加者の方からも、障害や病気が原因で路上生活をしている人も多いというお話もありましたが、実際、すいめいさんたちが調査された結果、東京で路上生活をしている人の約半数に知的、精神、発達障害認知症などの障害や病気を抱えており、3割がIQ70以下の知的障害障碍者手帳取得可能だとわかったそうです。
この話は、前々回の山本譲司さんのメディ・カフェ「障碍者の罪と罰」でもありましたが、障害があっても、福祉につながらず、まともに仕事もできないので、周囲から「ばか」「ぐず」「のろま」などといじめられて地域や家族からも疎外され、置き引きや無銭飲食などの罪で服役したり、出所しても帰るところがなく、路上生活をしている人もいます。
ホームレスの人の男女の比率について、2013年4月の時点で、男女別では男性7671人、女性254人という大きな差があるのはなぜかという疑問もでました。
女性の野宿者はほとんど性産業につれていかれてしまうとのことでした。件の栃木の70代の女性も例に漏れず、高齢者でも子供でも「買う」人がいる現実も知りました。


選択の機会が少ない


ホームレス状態の人の多くが、「あなたは、どうしたいの?」と聞かれたこともなく、選択をする機会も与えられていないのです。
自分で自分のことを決める、したいことを選ぶというのは、機会を何度も与えられてこそ出来ることだと思います。一度くらい「どうしたいの?」と聞かれても、誰も、自分のNEEDなんてわからないし、正しい選択は出来ないでしょう。その結果、困窮していても「自己責任」を問われる社会で、唯一の居場所が路上であるという人もいるでしょう。


ワークショップは、さまざまな意見を共有する場であり、正解はありません。ここで重要なのは、「ホームレス状態になる理由」「ホームレスの人たちの抱える問題」も、これほどに「多様」なのだということです。
「ホームレスというのは、○○だから」という決め付けや支援の押し付けではなく、目の前にいる、「この人」にとって、必要なことは何なのか、路上にいたいのか、アパートや施設に入るほうがいいのか、家族の下にかえりたいのか・・・やはり、一人一人のNEEDをじっくり一緒に探ることが必要なのです。

森川すいめいさんが代表をされているTENOHASIでは、ホームレス状態の人たちの命を守る活動をされています。
東京一美味しいと評判の月に二回の炊き出しと毎週水曜日の夜回り、日常の生活支援や福祉相談、手続きの付き添いなど、安全に野宿できる町であるために、10年間これらの活動を続けてこられました。
私も、TENOHASIの炊き出しに参加させていただきました。体験談はこちらにアップしてます。

この年末は、東京都全体で「越冬作戦」が行われるそうです。関心のある方、協力してくださる方はTENOHASIのHPをごらんください

越年越冬活動@池袋のおしらせ

尚、メディ・カフェ当日、みなさまにご協力いただいたご寄付は、TENOHASIへ送金させていただきました。ありがとうございました。




2時間半という短い時間では、まったく足りない!もっとお話を聞きたい!!と、メディ・カフェ終了後の懇親会のも、ほぼ全員に近い方が参加してくださり、最後まで非常に盛り上がりました。今回であった皆様の活動や研究に活かせるネットワークが生まれたら、うれしいです。

最後に改めて、森川すいめいさん、
本当に遠いところから、遅い時間までお付き合いくださり、ありがとうございました。
すいめいさんの紹介してくださったヒントや知識、支援にマネージメントを取り入れる考え方は、参加者のみなさまがすぐに実践していただけると思います。
それらは、ただ、知っていればいい、教わったら出来るということではなく、すいめいさんも参加者の皆様も、ドラッカーの言う、人から教わって身につけられない「真摯さ」という才能をもともと持っていらしゃるのだと思います。

すいめいさんには、まだまだお聞きしたいことがたくさんあるので、是非またご招待できるように、私たちもがんばっていきたいとおもいます。

TENOHASI炊き出し体験レポート

先週の土曜日、NPO団体TENOHASIの炊き出しに参加してきました。TENOHASIは、来月第7回メディ・カフェ@関西「コーラとホームレス」http://kokucheese.com/event/index/116552/
にお招きする、森川すいめいさんが代表をされている団体です。
http://tenohasi.org/tenohasi.html

路上生活者を支援する団体は、他にもたくさんありますが、TENOHASIはちょっと違う…と小耳にはさみ、これは、行ってみなければなりません!と家族の了解を得て、日帰り弾丸TENOHASIボランティアぼっちツアー開催となりました。

連休の一日目、朝7時30分に京都の家を出て、8時すぎの新幹線にのり、11時前に東京駅着。帰りの高速バスの乗り場を確認したり色々して、そこから地下鉄をのりつぎ、12時前に文京区の某所に到着。
炊き出し用の調理場は、ご厚意で私有地をお貸しいただいているため、場所は非公開ですが、土の香りのする花壇や畑もあるお庭で、東京の真ん中に、田舎の親戚の家があるような気分です。

初参加の私は、事前に担当者の方に申込みをした際、集合時間の11時には間に合わないけれども、途中参加でもいいですかと訪ねたところ、ボランティアは何時からでも何時まででも、出来る範囲で結構ですとのことでしたので、12時前頃の到着になったのですが、そこでは、おおよそ30人ほどの年齢も職業も様々なボランティアの人たちが、一心不乱に野菜を切ったり皮をむく作業をしていました。
私もすぐに一つのテーブルに混ぜてもらい、さっそく、ニンジンを切りながら「どこからですか?」「京都から来ました〜」「ええ??」「これだけに??」「京都は台風大変でしたね」と手は止めずにおしゃべりがはずみ、和気あいあいとした雰囲気にすっかりなじんでしまいました。

大量のニンジンの後には、大量の玉葱で涙がちょちょ切れます。みんなで、「うあっ来た来た!」と涙をにじませながら格闘し、他にも白菜や大根、白ネギ、ジャガイモを堪能するまで切らせていただきました。
途中で、自分たちが切った野菜を少し借りてお昼の賄い。
炊き出しにも使う発泡スチロールの容器に、炊きたてのご飯と野菜たっぷりの焼きそばを載せていただきます。
公園での炊き出しのメニューは、ごはんと、路上生活者の皆さんに、普段はとりにくい野菜をいっぱい食べてもらいたい!の願いを込めて、野菜たっぷりのスープ。大量の野菜は寄付していただいたものです。
次々に届けられる野菜を早く煮えるように、小さく切って行くのも大変ですが、300食分のお米を洗って炊いて蒸らして…というのも力のいる作業です。

賄いの他にも、休憩やお茶を飲んだりお菓子を食べたりもあって、休憩も自由にとれ、自分のペースで参加できます。
野菜を切り終えたあとは、プロの調理師の方が調理をしたり、配食の支度ができるまで、私たちは、ゆっくりお茶を飲んだり、ドングリに修正ペンで可愛い絵を描いたりして過ごしました。社会福祉生活保護制度についてやホームレス問題についてなどの話もでます。
「いつも、キャンプしてるみたいなもんだよ」と常連の参加者さん。庭には、季節の花々も風に揺れていました。


そうして、心持ち日差しが傾いた頃、出来たての野菜スープで作ったラーメン…このラーメンがまた、たくさんの種類の野菜と鶏肉を大きな鍋で炊くだけでも良い出汁がでるし、そこにプロの調理人が味付けをしてくださるので、むちゃくちゃ美味しかったです…を食べたら、炊き出し会場まで料理を運ぶ準備にとりかかります。
ご飯と、野菜と鶏肉入りのしょうゆ味のスープ300食を炊き出し会場に運ぶ為に、それぞれ大きなクーラーボックスにうつしてガムテープで目止めし、トラックで運びます。

この日は、台風も通り過ぎたさわやかな秋晴れで、暑くなく寒くなく素晴らしいお天気でしたが、雨の日は庭にテントを張り、各自、雨合羽を着ての作業になるそうです。配布する料理も、汁ものは配れないので、作ったスープから汁を濾して具だけにして、ご飯と一緒に容器に詰めてお弁当にして一人ずつ渡すこともあったそうです。
荷物をトラックに積み込むと、配食にも参加するボランティアは、炊き出し会場である東池袋中央公園まで各自バスなどで移動します。

私たちが到着すると、既にたくさんの方が列を作って待ってくださっていました。
男女比では、断然男性が多いのですが、女性もわずかながらいらっしゃいました。年齢は高齢の方から、20代のような若い人まで幅広く感じました。
配食を行う東池袋中央公園では、午後5時より、衣類の配布や医療、福祉相談、鍼灸マッサージ、甘いコーヒーや夏はポカリっぽいものを飲みながら交流する場も作られています。
http://tenohasi.org/action/action1.html
この日の医療相談には、急に冷え込んだ為か、風邪をひいたり体調を崩した人が多かったそうです。

午後7時ちょうどに配食が始まると、ご飯をもったどんぶりを渡す係りの5人で10食ずつ、「こんばんわ」「お待たせしました」と声をかけながら渡します。どんぶりを受け取った人は、次にスープの係りのところで、ごはんの上に具たっぷりのスープをかけてもらいます。
配食のボランティアも、交代で食事を頂きます。
そういえば、調理をしていた時、お話を伺った参加者の人が、炊き出しに参加する理由について、「炊き出しに並ぶ人たちは様々な事情で社会から疎外された人たちで、ボランティアは、学生も医療班も炊き出し班も、社会に受け入れられている側で、その立場の違う者同士が、出会って交流する。それが面白いんだよな」とこたえてくださったのを思い出しました。
遅めの秋が到来して、寒さをはらんだビル風に身を縮めながら、その場にいる皆が一緒に同じ釜の飯と同じ鍋のスープを食べる。
「東京一美味しい炊き出し」の秘訣は、そういうところにもあるのかもしれません。
用意された食事は直ぐになくなりましたが、この日は、いつもより並んだ人が少なかったそうです。こういう日は、他にも炊き出しが行われているのかも…ということです。その分、希望者には、おかわりもしていただけたようなので、よかったと思います。
午後9時頃、300食分の配食と炊き出し会場の掃除片づけを終えて、簡単な終礼をする頃には更に風も強まり、風にまかれた木の葉のように、お世話になった方々への挨拶もままならぬまま、散り散りの散会となりました。
担当の清野さんはじめ、ボランティア炊き出し班の皆さん、ありがとうございました。

私は、その後、明日は旅行に行くと言う友人宅に押し入って赤ちゃんを抱っこして過ごした後、東京駅から11時30分発の高速バスに乗車。朝からよく働いたお陰で、初めての夜行高速バスの中でも熟睡でき、無事に朝6時前に京都に帰着しました。
みなさんも、こんな弾丸ツアーどうでしょうか?昼も夜も賄い付き、交通費しかかかりませんよ?
TENOHASIでは、月に二回(第二、第四土曜日)の炊き出しのほか、毎週水曜日の夜回り、平日には、付き添いなどの日常生活支援など、たくさんのボランティアを募集しています。
http://tenohasi.org/volunteer5.html
お近くの方も、遠くの方も、是非ご参加ください。
次回は是非、息子を連れて参加したいと思います。

第7回メディ・カフェ@関西 「コーラとホームレス〜あなたなら、どこで、どんな未来を生きたいですか?〜」

すっかり、ご無沙汰しております。まだまだ気温は高い日もありますが、すっかり空は高くなり、どこか寂しさも漂う季節となりました。少し、なんだか人恋しさも感じるこのごろですが、第7回メディ・カフェ@関西のご案内させていただきます。秋の京都で、じっくり語り合いましょう!

第7回メディ・カフェ@関西 ワークショップ
コーラとホームレス    
 〜あなたなら、どこで、どんな未来を生きたいですか?〜

共催:NPO法人パブリックプレス http://www.publicpress.jp/

日本では、路上生活をしている人を「ホームレス」と呼んでいます。そこからは、安心して暮らせる「ホーム」を失い、あるいは、失いつつある不安定な生活を余儀なくされている人たちの存在は忘れられています。
ホームレス状態に陥る理由は、一人一人違います。「ホームレス」のほぼ半数が、知的障害精神障害認知症などを抱えているという調査報告もあり、他にも貧困や虐待、不正規雇用など、様々な事情や背景を抱えた人々それぞれに合った支援策が求められています。
メディ・カフェ@関西は、池袋を拠点にホームレス支援活動をされている、特定非営利活動法人TENOHASI代表、森川すいめいさん(精神科医)をお招きして、「ホームレス問題」の捉え方や、考え方を一緒に考えるワークショップを開催します!

第7回メディ・カフェ@関西
コーラとホームレス〜あなたなら、どこで、どんな未来を生きたいですか?〜

【ゲスト】特定非営利活動法人TENOHASI(てのはし)代表 森川すいめいさん(精神科医)

【日 時】 平成25年11月17日(日)   
午後1時30分(20分より受付)

【場 所】 アンテナカフェ丸太町  
【会 費】 1500円(フリードリンク付)
【定 員】 25人(先着順)
【申し込み方法】
住所、氏名、連絡先、
簡単な自己紹介を添え下記までお申し込みください

メディ・カフェ@関西事務局  M A I L:medicafe.west@gmail.com 
 ホームページ申し込みフォーム  http://medicafewest.jimdo.com

【終了しました】第6回メディ・カフェ@関西「尋常ならざるセクシャルトークセッション〜「障害者の性」問題についてケーススタディを通して考える〜」

梅雨入り間もない先週6月2日、京都市内のレンタルスペース「アンテナカフェ丸太町」にて、
第6回メディ・カフェ@関西「尋常ならざるセクシャルトークセッション〜「障害者の性」問題をケーススタディを通して考える〜」を
一般社団法人ホワイトハンズ代表坂爪真吾さんをお招きして開催しました

すっかりご報告がおそくなってしまい、すみません。こちらが遅れている間に、参加してくださった皆様のほうが、いち早くブログなどに感想を下さり、感激しています。
後ほど、紹介させていただきます。

 ホワイトハンズ代表、坂爪真吾さん。
テレ朝ch2「ニュースの深層」の撮影もありました。当日のメディ・カフェの様子は、坂爪真吾さん出演の番組で放送されるそうです!詳細は最後にお知らせします。


今回のメディ・カフェは、実際にあった事例を基につくった5つのケースに沿って、「自分が当事者ならば、どうするか?」ということを話し合うワークショップに挑戦しました。
社団法人ホワイトハンズ代表坂爪真吾さんは、当日朝、夜行バスにて京都入りされたのですが、疲れも見せない、とても熱のこもった進行と解説で、参加者もケースごとにそれぞれ短い時間でしたが、熱く深く議論できたのではないでしょうか。

当日の様子については、前回に引き続き共催していただいたNPO法人パブリック・プレスのサイトにて掲載されています。

ケーススタディの内容と解説について、以下引用させていただきます

1、 知的障害児のバス通学
知的障害のK君(16歳男児)は通学時に市バスを使う。隣に若い女性が座ると興味を示すようになり、ある日女子高生の髪の毛を引っ張ってしまった。このことがインターネット上で騒がれ、様々な意見のコメントがついた。自分がK君の両親なら、K君の通学をスムーズにするためにどんなサポートを考える?

参加者からの意見
ガイドヘルパー(外出支援のヘルパー)を頼んで、通学に付き添ってもらう。
・どのバスにK君が乗っているかを非公式にアナウンスしておく。
・K君と親しい学生の友達に、通学をサポートしてもらう。

坂爪氏のコメント
こういう問題を考える際、本人に焦点を当てるとうまくいかない場合が多い。周囲の人たちや環境に力を貸してもらった方がうまくいく。K君の場合は、それ以前には彼を温かく見守る雰囲気があったのだから、その人たちの力を借りるのも一つ。ガイドヘルパーも考えられる。周りのサポートの仕方を変えていくことで、解決案を考えられる事例。

2、 頚椎損傷の男性が一人でアダルトコンテンツを見るには?
この春から一人暮らしを始めたTさん(29歳男性、頚椎損傷)は、親元から離れたこともあり、インターネット上のアダルトコンテンツを視聴したいと思っている。自分がTさんなら、気まずい思いや恥ずかしい思いをせず、介助者に迷惑をかけないで視聴するため、どういう工夫をする?

参加者からの意見
・パソコンの入力支援ソフトの購入。
・本人にはためらいがあるようだが、男性ヘルパーに相談することを考える(本をめくってもらう、アダルトビデオを借りてもらう、など)。

坂爪氏のコメント
最近はweb環境周辺機材が充実しているため、音声認識のあるiPadスマートフォン、パソコンのソフトを考えるのは一つ。CS放送のアダルトコンテンツ専門チャンネルの契約を考えるのも手。ただ、この場合は本人の環境に焦点を当てていることになる。それよりも、男性ヘルパーの助けを借りるのが現実的。人間関係をライフラインとして考えることが大事。

グループのテーブルからおもわず「むずかしいーー」の声も


3、 脳卒中患者の性生活
脳卒中による右半身麻痺のあるNさん(59歳男性)は、後遺症による精神的疲労や勃起力低下、性的自信の喪失などから、妻との性生活がうまくいっていない。自分がNさんの担当ケアマネジャーだったとして相談を受けたら、なんとアドバイスする?

参加者からの意見
・話してくれたことに感謝を伝え、親身になって話を聞く。その上で、性行為が可能かどうかなど、主治医に相談する。
・本来は医師の方から性生活もどうかと聞いてあげるべきだが、多くの医師は関心がない。

坂爪氏のコメント
共感的理解を示し、親身に話を聞くことでかなり本人は救われる部分があると思う。また妻がどう思っているかが今回は出てきていないが、配慮も必要では。筋ジストロフィーの患者からもセックスレスの相談を受けることがある。健常者と同じように障害者も性の悩みを持っているが、そこには日が当たらないというギャップがある。

4、 父親から性的虐待を受ける知的障害
知的障害のあるKさん(15歳、女児)が最近、学校で男性に頼みごとをする際に、乳房を露出して性的に迫ることがある。担任教師が理由を探ると、父親の性的虐待が背景にあることが分かってきた。自分が担任なら、彼女をどうサポートする?

参加者からの意見
・父親にKさんの状況を手紙や面談などで「相談」。「虐待だ」と言って責めると、Kさんへの行為が一層ひどくなるかもしれないため、父親の気付きを促す。

坂爪氏のコメント
虐待だと言って詰問するのはリスクが高いため、「気付き」促すのは一つの手。母親も気づいていないことはないと思うため、そこに何らかの問題のある可能性も考えられる。

5、 性風俗・AV出演のあっせんは、「福祉」か?
障害のある女性をアダルトビデオや風俗業に紹介することを仕事にしている男性(精神疾患、作業所経験あり)は、自分の仕事を「慈善事業」だと主張する。「障害者を施設に入所させ、売れないパンやクッキーを焼かせ、ガラクタをつくらせ、時給は100円以下では『福祉』とは言えない。AVでも風俗でも、自分で稼いで好きな暮らしをさせる方が『福祉』だ」という主張に、自分が特別支援学校の教員だったとしたらどう答える?

参加者からの意見
・「時給100円以下の作業所」と「AV・風俗」という極論対局極論になってしまっている。普通に就職するという道を考えられないか。
・男性本人の精神疾患も問題

坂爪氏のコメント
軽度知的障害者などの場合、学校を出た後、社会に居場所がないということが根本的な問題。福祉を受けた経験のある人の中には、福祉を“敵”と思っている人もいるため、この男性自身も被害者といえる。また、アダルトビデオ出演や風俗業というのは、継続的な仕事とは言えないため、福祉とは言えないだろう。男性が「女性を助けている」と思っている論理を覆すような反論を返すことはできるのでは。

どのケースも考えれば考えるほど、深く、難しいものばかりでしたが、具体的なケーススタディを用意していただいたおかげで、
抽象的な「綺麗ごと」に終わらない、自分自身のセクシャリティに映しこんだ議論が出来たと思います。
そこに見えるのは、自分自身の「性」の捉え方であり、障害者に対する差別性であったり、普段直視することをさけてきた自分の姿だったのではないでしょうか。
そういう、直視することが辛い、できれば、無いことにしてしまいたい「性」の問題を「個人」の問題やプライバシーだと片付けると、
社会の表層から見えなくしてしまいます。
見えないところで、障害者と家族が孤立させられ、ある日、悲惨な事件に繋がり、個人の問題と隠されてきた「障害者の性」の問題が、本当は「人と人の繋がり」の問題であると気づくのでしょう。
そんな悲劇を繰り返さない為に、ホワイトハンズのような「人と人の繋がり」をサポートする存在が必要なのだと思います。
しかし、本来それは、福祉の役割だったのですが、前回の山本譲司さんのお話や、今回の事例の中にもあったように、現実の福祉は実社会から対象者を「保護」の名のもとに隔離し、むしろ「見えない存在」にしてしまっているように思えます。
今回のワークショップが、障害者の性の問題を、福祉や誰かに押し付け、個人の問題として片付けずに、自分ごととして考える機会になれば幸せです。

終了後の懇親会も18名の方が参加してくださり、会場近くの「串まんま」にて、大変盛り上がりました!


ブログ紹介

ホワイトハンズ開発日誌 坂爪真吾さんのブログです

LUPOのパワー全開な日々 メディ・カフェ第一回のスピーカーのお一人でもあった産婦人科医宋美玄先生も参加、後日ブログに感想を書いていただきました!

当日のメディ・カフェの様子がスカパー!で放送されます!

スカパー!テレ朝ch2「ニュースの深層http://www.tv-asahi.co.jp/ch/contents/news/0003/
301「障害者の『性』を介助する」ゲスト:坂爪真吾(一般社団法人ホワイトハンズ代表)
06/11(火) よる08:00-よる09:00
06/12(水) 午後01:00-午後01:54
06/15(土) あさ06:00-あさ07:00
ぜひ、ごらんください!

第6回メディ・カフェ@関西 共催:NPO法人パブリックプレス


尋常ならざるセクシャルトークセッション

〜「障害者の性」問題について、ケーススタディを通して考える〜

障害者の恋愛と結婚、介護現場でのセクハラ、性的迷惑行為の防止、多発する障害者への性虐待や性暴力、障害者セックスワーカーと闇社会、等々
障害者と性をとりまく問題を他人事や別世界の話だと考えていませんか?
福祉や介護の現場で、家庭で、学校で、起こりがちな障害者の性に関わる問題に、
“あなた”なら、どう取り組みますか?

メディ・カフェ@関西では、
一般社団法人ホワイトハンズ代表 坂爪真吾さんをお招きし、ケーススタディを通して、参加者同士で話し合うワークショップを開催します。
第一部では、障害者と性の問題を様々なケーススタディを通して、グループごとに別れてディスカッション。第二部では、坂爪真吾さんを囲んで、皆さんと意見交流をしたいと思います。

メディカフェチラシ.pdf 直

【日 時】平成25年6月2日(日)13時30分〜16時45分
【会 場】アンテナカフェ丸太町 京都市上京区新町通丸太町上る       
【会 費】1 5 0 0円(フリードリンクつき)
           【定 員】30名(先着順)
【申し込み方法】
住所、氏名、連絡先、簡単な自己紹介を添え下記までお申し込みください
 
メディ・カフェ@関西事務局 
M A I L:medicafe.west@gmail.com
ホームページ申し込みフォーム 
  http://medicafewest.jimdo.com

第5回メディ・カフェ@関西「障害者の“罪と罰”〜本当の償いと更生と支援を考える〜」終了

去る12月15日、第5回メディ・カフェ@関西「障害者の“罪と罰”〜本当の償いと更生と支援を考える〜」
を開催しました。
この夏できたばかりのNPO法人パブリックプレスの承認記念イベントです。
パブリックプレス期間限定公開メルマガの記事はこちら


パブリックプレス代表熊田理恵さんより、あいさつ

ゲストの山本譲司さん


NPO法人「パブリックプレス」の認証記念イベントとして企画し、パブリックプレスのご協力を得て、東京より、元衆議院議員山本譲司さんをお呼びすると言う、メディ・カフェ@関西始まって以来最大のミッションで、非常に緊張していましたが、時間どおりに会場である会議室にきてくださった山本譲司さんは、想像以上に気さくで明るく、すぐに、来場者に話しかけてくださったりで、こちらの緊張もすぐにほぐれました。

「毎年新たに刑務所に送られる受刑者の2割が、何かの障害があり、支援を必要としているということに加え、
全受刑者の9割が知能指数100以下である。」
こういえば、障害があるから、知能が低いから犯罪を犯しやすいという捉え方をされる恐れがあります。
彼らの多くは、障害者手帳をもたず、福祉との繋がりもありません。つまり、逮捕されるまで、「障害者」として生きてきたわけではなく、学校や地域で、あほやノロマといって馬鹿にされたり、生産的なことが何もできない、コミュニケーションがとれないからといって仕事にもつけず、あるいは、義務教育さえまともに受けずに生きてきた人たちです。
“障害がある”ということよりも、障害があるのに、家族や周囲との繋がりや、福祉の支援や、安心して過ごせる“居場所がない”ことが、お金もなくて、誰に助けを求めていいかもわからずに、空腹に耐えかねて無銭飲食や万引きや窃盗などの罪を犯してしまう原因になっています。
刑務所を出ても、身元を引き受けてくれる人や行き場所がなければ、出所したその日からホームレスということもあります。刑務所から出所した人の身元を引き受けてくれる更生保護施設も、予算が苦しく寄付に頼っているのが実情で、周辺住民の理解なくして存続が出来ず、トラブルを起こしやすい障害者の受け入れは難しいのです。
一方、障害者施設でも、同じ理由で、法に触れる行為をした人を受け入れる余裕がありません。
障害があるから仕方ない、万引きや無銭飲食は軽微な罪だから許せというのでもなく、そういう罪を犯してしまう経緯を考えず、ただ、数年刑務所に入れておいて刑期が満了すれば出所ということだけでは、同じことを繰り返すだけであり、彼らの実情にあった社会復帰の為の訓練や出所後の受け皿が必要です。
山本さんは、この問題を解決する為に、福祉関係者らとともに「障害のある人受刑者の出所後のシェルター作り」に取り組んでこられました

近年では、法務省厚生労働省が連携することにより、山本さんも協力された罪を犯した障害者や高齢者の社会復帰を目指す取り組みが行われ、徐々に成果をあげています。
島根あさひ社会復帰促進センターなど障害者特化ユニットのあるPFI刑務所(民間の経営能力や技術を活用し、公共施設を建設したり運営したりする)の建設運営、障害者が地域で生活していく為の支援活動をする地域生活定着支援センター事業もはじまり、今年、全国に地域生活定着支援センターが作られました

一般社団法人 全国地域生活定着支援センター協議会

山本さんの活動は、更に続き、厚生労働省「罪を犯した障害者の地域生活支援に関する研究会」の研究員もされていますが、「本当は、『罪を犯した』だけじゃなく『罪を犯さざるを得なかった、罪を犯したことにされている障害者』の地域生活支援なんです」と仰っていました。
実際に罪を犯した人ばかりではなく、やってもいないことを自白させられたり、まともに取り調べもうけられないまま刑に服している人も多いのです。刑法39条も、軽微な罪に対して精神鑑定を行われないことが多く、適用されないといいます。
孤立している障害者が、「不審者」として通報され、警察官らに対して抵抗したら公務執行妨害や傷害罪で逮捕されています。その背景には、近年日本で恐ろしい犯罪が増えている、日本の治安が悪化しているという認識があるようですが、現実には、殺人事件のほとんどが怨恨であり、通り魔的な凶悪犯罪は減っています。「心の闇」と揶揄される少年による理解不能な残虐な事件も、現代はとても少ないのです。(戦後最も多かったのは、「ALWAYS 三丁目の夕日」の舞台である昭和30年代です)

山本さんの講演のあと、ティーブレイク。差し入れしてくださった皆様、ありがとうございました


休憩のあと、質疑応答

講演会終了後、持っていった「続獄窓記」にサインをしていただきました
「続獄窓記なんて読んでくれたの?」と仰っていましたが、私は、「獄窓記」「累犯障害者」「続獄窓記」の中で「続獄窓記」が一番好きです。
「獄窓記」執筆にかかるまでの忸怩たる思い、ポプラ社第三編集部から出版されるまでの経緯、出版後の反響、知的障害者の刑事事件を専門に活動している江藤弁護士(仮名)や後の活動に繋がる沢山の人との出会いと出来事の数々が、どれもドラマチックで本を読むのが苦手な私が一気に読んでしまった珍しい本です。
感想を非常にざっくりいうと「人間っていいなあ」
愛と勇気と希望を感じられます。しかし、それは、福祉と社会の制度のすき間に自分の意思で落ちたのではなく「落ちこぼされた」弱者の、余りに悲惨で過酷な現実の中に光っている唯一の救いだからですが。
ともあれ、それぞれの現場で、同じ問題意識を持って改善しようと奮闘している人がいるということ、そういう人たちが、一冊の本と山本譲司さんという活動家によって出会い、結びつくことで物事が変わっていったことも事実です。山本さんと共に、出所後の障害者や高齢者の社会復帰や居場所作りに奔走する人々の活動や働きかけは、講演の中でも言われていたように、触法障害者や高齢者に限らない多くの人々にとっても、この社会に生きる私たち全てにとっても、生きやすい社会作りに繋がっています。
山本さんがサインと一緒に書いてくださった座右の銘、悪いことが続いたあと、ようやく物事がよい方に向かうことという意味の「一陽来復」も、そんな希望を持って、これからも活動されていく山本さんらしいお言葉だと思いました。

参加者アンケートにも沢山書いていただきましたが、山本さんの講演は、非常に貴重なお話ばかりで意義深く、熱弁をふるっていただき、本当に有難いと感激しました。ただ、予定時間を超え、お話にも登場した地域生活定着支援センターの方をはじめ、福祉関係者や、特別支援教育発達障害者支援に携わる方々や学生など多士済々の参加者による、メディ・カフェの目玉である質疑応答や意見交流の時間が殆どとれなかったのが、唯一残念でした。

【第一回理科ちゃんママ】 遅くなりましたが、開催報告です

去る10月30日(火)、お母さんのためのサイエンス・カフェ「理科ちゃんママ」を開催しました。
ちょうど寒くなり始めた頃だったので、お子さんが体調を崩されてのキャンセルもあり、予定より少ない人数での開催となりました。

今回、会場として使わせていただいた吹田市の夢つながり未来館のサークル交流室には、木のすべり台やボールプールがあり、とても広々としていて、子供たちものびのびと遊べました。
http://www.city.suita.osaka.jp/home/kosodate/institutions/_54510.html
子供たちを放牧しつつ、まず話題として出したのはやはり母乳育児のこと。
今回参加してくださった方も、やはりそれぞれに悩みはお持ちだったようです。
お一人は完母で、しかも最初からかなり順調に母乳が出たとのことで、じゃあ悩みなどはなかったのかなーと思ったのですが、母乳育児の情報サイトの内容について、真偽のほどを悩んでおられたそうです。
もっと突っ込んでお聞きすればよかったですね。

そのほかにも、カルト寸前の育児法や、ダイエットや体質改善法の一種として流行している健康法を子供に適用する危険性などについて、断片的にではありますがお話ししました。

今回は第一回ということで、参加者の皆さんがどんな話題に興味をお持ちなのかを知りたいという思いもあり、特にテーマを絞らずフリートークを行いました。
結果、とりとめのない雑談のようになってしまいましたが、参加者の皆さんには楽しんでいただけ、少しは有益な情報も持ち帰っていただけたようで、ほっとしています。

会の最後に、アンケートにご記入いただきました。
(お子さんのかわいらしい妨害に遭いながらたくさんご記入いただきました。ありがとうございます。)
その中で、「今後知りたい/聞きたいテーマ」についてご回答いただいたものは以下でした。
・母乳育児について
・しつけ
・月齢や年齢に応じたしつけの仕方
・病気の見分け方

上記アンケートの内容をもとに、次回は少しテーマを絞り込んで開催したいと思います。

来月か再来月には第二回を開催しようと計画中です。
今回ご参加いただいた方も、そうでない方も、お楽しみにお待ちくださいね!

最後になりましたが、今回ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。